3D Printer によるマスク 製造データの公開
2020年4月のGW前の時点では、やっと市中にマスクの影が出回り始めました。
とはいえ、巨額な無駄な資金を使ったアベノマスクは未だに配達されず、
店頭に出回っているマスクは、悪徳な製造業者がボロ儲けできる値段で、とてもとても正常化とは言えません。
かと言って、布マスクを自作しようにもアベノマスクの影響か、自作したい人がいっぱいいるせいか、
材料のガーゼもゴム紐もどこのお店でも品切れです。特に医療用にも必要となるガーゼは、治療現場で不足しているという話もあり、
コットンという自然素材を考えると急に量産というのも難しいことも十分に理解できます。
”布マスクよりも、不織布のマスクのほうが効果が高いのでは?”という話もありますが、
冷静に考えてみれば、使い捨てのマスクは環境に負担をかけていることは間違いなく、
洗えるという話も、やはり毛羽立ってきてどこまで信用できる話なのかという以前に、
不快感で我慢して使用する生活を強いられます。
悪徳マスク製造業者をボロ儲けさせず、
ガーゼを使いすぎて、医療現場に迷惑もかけず、
環境に負荷をかける使い捨てでない、
快適に長期間使い続けられる、半布マスクの3Dプリンターによる製造方法(製造データ)を公開します。
通常バーション こちらのほうがあまり目立たない形になっています。
粗忽者バージョン 中に入れる布を落とさないように抑えられるようになっています。
すでに、他の法人・個人のみなさんがいろいろな形で、マスクのデータを公開しておられます。
”いまさら、何を”とおしゃられる方がいらっしゃると思いますが、
残念ながら、現状では以下の条件を満たすようなデータはなかなか見つけることができません。
1.メガネユーザーのためにメガネが曇らない(曇りにくい)マスクデータ。
2.一般的なFDM方式の3Dプリンターで印刷できるデータが少ない。
3.気軽に改造して自分にあわせる事ができるマスク
4.できるだけ短時間に印刷できてスピードの早くない廉価なFDMプリンターでも気軽にためせる。
2の条件のFDM方式ということで、当初は最廉価の3Dプリンターで使え、トウモロコシ由来の原材料で環境にも優しいPLAでも大丈夫なものを考えましたが、
残念ながら、PLAは熱に極端に弱く、これから暑くなる日本の夏の屋外ではかんたんに変形してしまうことが予想されるため、
実用的なものは不可能だと結論付けざるを得ませんでした。
柔らかく、人肌にやさしい、TPUが印刷できる240度程度での出力が可能な3Dプリンターも今では,
2~3万円台からあり、それほど珍しくないと考えてTPUを採用しました。
薄くすれば、もしかするとTPUより低温での出力可能なPETGでも可能かもしれませんが、弊社では試しておりません。
(眼鏡の曇り対策の返しの部分が特に難しいと思います。またPETGも紫外線に弱く、長期利用は難しいです。)
半布マスクの利点に関して
半布マスクの利点はいくつかあります。
・清潔
まず第一に、布とTPU(ポリプロピレン)でできてますので、丸洗い可能でいつでも清潔に使用できます。
帰宅時に、手を洗うときに一緒に洗って干しておけば、翌朝には乾いてますので、毎日清潔かつ快適に使用できます。
(コロナウィルスは界面活性剤で殺せるとの研究結果が出ております。)
布マスクの場合は大量に布を使用するので洗濯は簡単ですが、乾かすのに時間がかかります。
使い捨ての紙マスクや再利用可能なスポンジマスクは、あらうと程度の差はあれ劣化が進みますし、
劣化を抑えるために優しく洗うと本当に清潔なのか確証が持てません。
・殺菌性能が高いかもしれない??
次亜塩素酸水を利用すれば殺菌性能を長時間保持できる可能性があります。(推測)
一般的な布マスクや使い捨ての紙マスクでは全体が空気に触れているため、
仮に出かけるときに次亜塩素酸水をスプレーしてもすぐに乾いてしまいます。
半布マスクでは、布部分の大半がTPUに覆われているため、乾燥がおそくなり、
呼気の湿気の追加もあり、弊社での体感実験では4・5時間は次亜塩素酸の香りが布に保持されます。
科学的な検証は弊社ではしておりませんので、あくまで可能性ですが次亜塩素酸水を長時間有効活用可能かもしれません。
・少ない布で一般的な布マスクよりも高いフィルター性能
半布マスクでは、空気の通り道を制限しているため、少ない布を折り重ねてそこに当てれば、
通常の布マスクよりも遥かに少ない布で、布マスクよりもぶ厚いフィルターを作ることが出来ます。
また、布地を選びませんので、最悪ハンカチで大丈夫です。
試していませんが、シルクハンカチなどを利用すればより快適に利用可能かもしれません。
*次亜塩素酸水に関して
次亜塩素酸水は、塩水を電気分解して作ります。もとが塩水ですので人体には非常に優しく、高い殺菌性能を持ちます。
とはいえ、あまり一度に大量使用すると健康に問題が発生する可能性があります。ご自身の良識と責任下でご使用ください。
1ボトル1400円ほどでは多くの薬局で買うことが可能です。
(品薄かもしれませんが少し探せば見つかると思います。)
出力に関して
TPUは、もともとかんたんにきれいに出力することが可能な素材です。
データの出力は、各フィラメントメーカーの温度設定データに合わせていただければ問題なく出力できると思います。
通常バージョン・粗忽者バージョンどちらでも、支持材の指定は必要ないです。
比較的、単純な構造ですので割と早めの出力速度でもきれいに出力が可能です。
(お手持ちの3Dプリンターとフィラメントによります。)
接着に関して
データには、ボッチと穴がついていますが、これらは接着をかんたんにするためのものです。
必ず接着して気密性を確保してからお使いください。
TPUは接着しにくい素材です。
ポリプロピレン用の接着剤(接着後もあまり硬くならないもの)を使用すればしっかりと接着できます。
弊社で接着実験したものは、コニシ㈱のボンドウルトラソフトタイプになります。
多少面倒くさくなりますが、1度に接着せず、
1.下(顎)部分の左右
2.上(鼻)部分
3.曇り止め折返し部分
という形で順番に接着していけばきれいに接着できます。
曇り止め折り返し部分は、写真のように一番外側(耳のそば)と中央の鼻の上の部分を折り返してごく少量の接着剤で固定してください。
曇り止め折り返し部分は、切り落としてスポンジなどでも代用することが可能です。
また、気にならないようでしたら切り落としても使用できます。
事故防止のため、洗濯ばさみで最初のだけ固定することをおすすめします。
(最後まで固定すると洗濯ばさみが取れなくなる事故になる可能性があります。)
ボッチと穴で作られる形に拘らずご自身に合う形に接着してください。
その場合はボッチはかんたんにニッパーなどで切り落とすことが出来ます。
使用に関して
弊社は、医療機器メーカーでもマスクメーカーでもありません。
効果、効能は全く不明です。
ご使用は自己責任にてお願いいたします。
皆様が、健康にオーディオを楽しむための一助となれば幸いです。
アレグロ 代表 荒井恭児